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基礎デザイン論及び演習

鉛筆から粘土までを実践的に造形する

紙に入りきらない傘

基礎デザイン論及び演習はほとんどが実践しながらのデザインの講義になります。基礎デザインは多くの学校で学ぶ内容で必須科目あることが多いです。私の学校でも1年を通して学ぶために、単位数も8単位と大きかったです。

その中では一切コンピュータを使いませんでした。鉛筆から粘土まで、いろいろなモノを造形をしていきます。通常、デッサンする場合は紙や針金、石膏像などを模写しますが、当講義の場合は自分の好きなものをデッサンします。

この意図はモチベーションです。自分が思い入れがあるモノの方が、熱心に取り組めるからです。私はお気に入りの傘を模写しましたが、正直、結果はB評価でした。自分でも「あまり良い出来栄えである」と思っていません。

柄の部分の白の光の挿し方が塗っただけのような感じで、かすれています。傘の帆の質感は良くでていますが、骨を抑えるプラスチック部分まで布と同様の質感になってしまっています。そもそも原寸大で描こうとしたために、全体像がつかみにくく、デティールも荒いです。

被写体は描きやすいモノを選ぶ

描きやすいモノと描きにくいモノがあります。直線的なモノは始めは手を出さない方が良いです。パソコンのキーボードよりもヘッドフォンの方が描きやすいということです。

また、色の種類が少ないビビッドカラーのモノよりも、グラデーションや黒光りが映えるモノの方が色調が捕らえやすく、描きやすいです。

さらに描く紙に納まるモノ、もしくは紙より小さいモノを描くことです。人間の眼は大きいモノを小さくした場合に、いつも見ている映像より荒く見えてしまいます。逆に小さいモノを大きく見せると、いつも見ていない部分ですので、先入観がなく、正しい映像なのか認識しづらいです。

また、材質が複雑なモノは避けましょう。ぬいぐるみが難しいのは細かい毛の1つ1つが模写しづらいからです。後は先ほどもありましたが、愛情が沸くモノのほうが良いでしょう。

私がデザインの学校に入学して、初めて履修した授業が「基礎デザイン論及び演習(1)」でした。その授業で制作した提出物が板のデッサンです。入学した直後ということもあり、今見るとかなり雑です。その時点では納得できる成果物であったために、今回掲載することにしました。

2枚の板

この2枚の板の模写、リアリティが足りない最大の要因が設計力です。設計力はモノを線で見る力です。明らかに設計の時点で線が曲がっています。

2枚の板(2)

また、モノクロで見る力も必要です。色が付いていても、明度をはっきりと認識できているかです。板の側面より、板の裏に近い部分の方が色が若干暗いです。全て木の素材の色ですが、ライトが当たっている部分は白に反射します。影も一色ではありませんし、自分が見る位置でも色が変わります。

デッサンには立体的な工夫もあり

この模写に3枚の紙が必要です。板Aを描く紙、板Bを描く紙、影を描く紙です。それぞれ別に模写をして、最後に板Aと板Bを切り取り、影を描いた紙に貼り付けます。

切り取る作業のおかげで、板の鋭角な部分が強調されますし、ラインがはっきりします。また、糊で付着させるために、紙と紙に若干の隙間ができ、それが立体感につながります。

難しいのは影を書く紙です。板Aと板Bの影を板がない状態で描く必要があります。ただし、ある程度鉛筆で書いて、糊付けした後でも修正が利きます。

また、色が薄い板の場合、蛍光灯の下では色の彩度や明度の差が小さいために描きづらいです。板は濃いモノを選ぶようにしましょう。


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